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BAS-UCSFセミナーの案内(6月28日、2019)


6月28日(金)に開催予定のUCSFセミナーでは、UCSF Cardiovascular Research Instituteの廣瀬健太朗先生(JSPS海外特別研究員)に「心臓再生能力と内温性獲得のトレードオフ機構」という演題でご講演いただきます。 廣瀬先生は、広島大学大学院理学研究科生物科学専攻にて、ゼブラフィッシュの尾びれ再生を司る分子機構に関する研究でPhD(理学)を取得されました。学位取得後、2016年度よりUCSFに移られ、現在に至るまで、主にマウスを用いた心臓再生研究に取り組まれています。本講演では、「心臓の再生能力を司る分子機構」と題して、今年の3月にScience誌に発表された最新の研究成果についてご講演いただく予定です。

セミナーではライフサイエンスのトピックを多く扱っていますが、生命科学系専攻ではない方など幅広いバックグランドの方のご参加もお待ちしています。セミナーの後にはちょっとした懇親会もあり、参加者の皆さんには知り合いを増やしたり日本語での雑談を楽しんだりして頂いています。

どうぞお気軽にご参加下さい!

=== === === セミナー詳細 === === ===

演題名:心臓再生能力と内温性獲得のトレードオフ機構 (Trade-off between Loss of Heart Regenerative Potential and Endothermy Acquisition) 演者:廣瀬健太朗 (Kentaro Hirose, Ph.D, Postdoctoral Scholar) 所属:カリフォルニア大学サンフランシスコ校 日時:6月28日(金)午後6時開場、午後6時半時講演開始 場所:UCSF Mission Bay Campus, Genentech Hall, Room N114(一階)    600 16th St, San Francisco, CA 94158 参加費:$5 (軽食を用意します)、学生無料

準備の都合上、参加希望の方は6月25日(火)までに中岡寛樹 までお申し込みください。 会場の案内:建物の入り口(扇形の階段の左下)に警備デスクに繋がるインターフォンがあります。入り口を開けてもらい、建物中央にある警備デスクで入館手続きを済ませて下さい。 建物に入る際にPhoto IDの提示を求められますので、運転免許証などの身分を証明できるIDをご持参下さい。 演題概要: ゼブラフィッシュやイモリなどの一部の脊椎動物は、驚異的な再生能力を持ち、心臓の一部を失った際も再生する。一方、マウスの再生能力は非常に限定的であり、生後1日目に生じた心臓の損傷は再生されるが、その能力は生後7日目には消失し、成体マウスでは一切再生できない。このように、脊椎動物の心臓再生能力には、動物種間・発生ステージによって大きな多様性がある。この再生能力の違いを決定付けるメカニズムを解明できれば、新たな医療応用の可能性を見出すことができるかもしれない。心臓の再生現象は、幹細胞に依存した再生メカニズムではなく、心筋細胞自身が細胞増殖し、組織再生に貢献することが明らかになっている。しかし、再生過程において心筋細胞の増殖能力を制御するメカニズムはほとんど明らかになっていない。近年我々は、様々な脊椎動物種間の心筋細胞の増殖能に着目することで、心臓再生能力の差異に寄与する因子を同定し、その制御メカニズムの一端を明らかにした。本セミナーでは、「なぜ、我々ヒトなどの哺乳動物は、進化や発生の過程で、再生能力を失ったのだろうか?」という問いに対する一つの答えとして、「体内を常に至適温度に維持するための機構である内温性の獲得と引き換えに、心臓の再生能力を失った」ことを示す新たな仮説について解説する。


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